点描画家BANANA YAMAMOTO氏の作品を、現実には設置できない大きさへ拡張し、さらに動きを加えて街や自然の風景へ重ねるARプロジェクトです。TOBIDASEは、原画を画面に表示するだけではなく、点描作品が建築や空をキャンバスにして動き出す鑑賞体験を制作しました。

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この実績のポイント点描作品の色と粒の印象を残したまま、巨大化・立体化・アニメーションを組み合わせました。重厚な建築と開けた河川敷の2地点で実機検証し、背景が変わっても作品が風景に埋もれない見え方へ整えています。

実際のAR動画:建築と河川敷で見え方を比較

同じ点描表現でも、石の建築を背景にしたときと、空と草地が広がる河川敷では、作品の大きさや動きの感じ方が変わります。以下の2本は、それぞれの現地で撮影した実際のAR映像です。

角川武蔵野ミュージアムの建築空間に巨大な点描作品を重ねたAR映像
荒川河川敷の広い空間で、点描アートが風景と混ざり合うAR映像

相談時のテーマ:点描の繊細さを、屋外スケールへ広げたい

BANANA YAMAMOTO氏は、「点と点が繋がる瞬間をつくる」という考えのもと、点をモチーフに平面作品や立体造形を制作しています。本プロジェクトでは、その表現をデジタルへ置き換えるだけでなく、展示空間の外へ持ち出し、建築や風景と一緒に鑑賞できる形へ広げることがテーマでした。

一方、点描は細かな点の集積によって質感が生まれる表現です。作品を大きく動かすほど、原画の繊細さが失われたり、ARの派手さだけが目立ったりする可能性があります。そこで、作品の特徴を残すことと、ARだからできるスケール感を両立することを制作の基準にしました。

アーティストの作品は、BANANA YAMAMOTO公式Instagramでも確認できます。

制作したAR:平面作品へ立体と動きを加える

角川武蔵野ミュージアムでは、建物の外壁へ巨大な点描作品が現れ、画面の中から点描のモチーフが立体的に飛び出すように展開します。荒川河川敷では、点の集積でできた大きな有機的形状が空を横切り、広い風景そのものが展示空間になります。

作品を固定した一枚として見せるのではなく、出現、変形、移動という時間の流れをつけることで、「近づく」「見上げる」「カメラで追う」ことまで含めた鑑賞体験へ変えました。

実際のAR画面:点描作品が風景の中で動く

以下は、上に掲載した2本の実動画から切り出した実際のAR画面です。建物の壁面からモチーフが飛び出す展開と、河川敷の空を巨大な作品が移動する展開を連続した場面で確認できます。

角川武蔵野ミュージアム

荒川 河川敷

ARが出現する主要ロケーション

検証・撮影は、埼玉県所沢市の角川武蔵野ミュージアムと荒川河川敷で行いました。建物の形と素材が強く見える場所、空と草地が大きく広がる場所という異なる環境を選び、作品が現実の背景とどう関係するかを比較しています。

角川武蔵野ミュージアムと荒川河川敷の2地点を示し、建築空間と開けた河川空間を比較する概念地図
ARを検証した2地点の特徴を比較したロケーション概念図

ロケーション

背景の特徴と確認したこと

角川武蔵野ミュージアム

石の外壁と幾何学的な建物を背景に、点描作品の色が埋もれず、建築と一体に見える大きさを確認。

荒川 河川敷

遮るものが少ない空と草地を背景に、巨大作品の輪郭と移動が伝わる距離感・配置を確認。

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地図はロケーションの性格を伝える概念図荒川河川敷は記事内で詳細地点を公開していないため、図は正確な座標や縮尺ではなく、2つの撮影環境の違いを分かりやすく示しています。

制作上の難所1:巨大化しても点描の質感を失わない

点描作品は、離れて見ると大きな色面や形に見え、近づくと一つひとつの点が見えることが魅力です。しかしARで巨大化すると、細かな点がつぶれて均一な色に見えたり、反対に点の主張が強すぎて全体の形が読みにくくなったりします。

そこで、スマートフォンの縦画面で全体のシルエットが読み取れることを優先しつつ、近くで見たときには点の集積が分かるバランスへ調整しました。色のまとまり、輪郭、背景との明暗差を実画面で確認し、遠景では形、近景では点の質感を感じられる状態を目指しています。

制作上の難所2:背景が変わると作品のスケール感も変わる

ミュージアムでは建物の外壁が大きさの基準になりますが、河川敷では比較対象が遠景の街並みや地平線になります。同じサイズ設定を使っても、背景によって作品が小さく見えたり、画面を覆いすぎたりします。

また、建物の輪郭と作品が重なる場面では、色や形が読み取りにくくなります。河川敷では空の余白を活かせる一方、作品が画面外へ出るほど大きくすると全体像が伝わりません。そこで場所ごとに、出現位置、カメラとの距離、移動する方向を確認しました。

対策:現地の実機映像を判断材料にして調整する

AR単体の制作画面だけでは、現実の建物や空と重なったときの印象を判断できません。2地点で実際にスマートフォンを向け、作品の輪郭、背景との明暗差、出現から移動までの見え方を動画で記録しました。

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静止画と動画の両方で確認静止画では構図と色の対比を、動画では出現のタイミング、移動速度、カメラで追えるかを確認します。アート作品の造形だけでなく、鑑賞者の視線と動きまで調整対象にしました。

成果:展示室の外に、場所ごとに異なるアート体験をつくる

完成したARは、石の建築を巨大な展示面に変える体験と、河川敷の空へ作品が浮かぶ体験として実現しました。平面作品のモチーフを保ちながら、場所に合わせて大きさと動きを変えることで、同じ作品世界が異なる表情を見せています。

この事例で重視したのは、ARを作品の上に足すことではなく、現実の場所を作品の構成要素として取り込むことです。建物、空、遠景、鑑賞者のカメラ移動まで含めて、一つのアート体験にしています。

実施確認TOBIDASE制作記録・掲載中の現地実動画

確認できる成果:角川武蔵野ミュージアムと荒川河川敷でのAR表示、点描作品の巨大化・アニメーション、異なる背景で撮影した実機映像。公開されていない体験数やSNS投稿数は成果として記載していません。

アート作品を、場所と動きのあるAR体験へ拡張します

絵画、彫刻、イラストなど既存作品の特徴を読み取り、巨大化、立体化、アニメーション、現地背景との重なりまで含めてARを設計します。展示会場だけでなく、街中、屋外、建築空間を新しいキャンバスとして活用できます。

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作品と使いたい場所が決まった段階から相談できます原画データと現地写真をもとに、どこまで立体化するか、どのように動かすか、鑑賞者へ何をしてほしいかを整理します。費用の目安はWebARサービスページで確認できます。

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