桜新町の街に親しまれてきた地域イベントが中止となるなか、人を一カ所へ集めずに、街の活気と「サザエさんの街」らしい楽しさを届けたい。この課題に対し、TOBIDASEは商店街の4カ所を巡りながら楽しめる「サザエさんAR」を制作しました。
出典:TOBIDASE制作記録
相談時の課題:イベントの代わりになる「街全体の体験」が必要だった
桜新町では、地域のにぎわいをつくってきた「桜新町ねぶた祭り」が開催できない状況となりました。しかし、代替企画で同じように人を一カ所へ集めることはできません。そこで必要だったのは、来場者を分散させながら、商店街を歩く理由と記念撮影のきっかけをつくることでした。
- 密集を避けながら、地域イベントらしい特別感をつくる
- ファミリー層を含め、説明を読まなくても参加できる導線にする
- 一カ所で完結させず、商店街の回遊につなげる
- 撮影後の投稿まで自然につなぎ、街の外にも話題を広げる

対策1:4つのARを「街を歩く理由」にする
一つのARを見て終わるのではなく、商店街の4カ所に異なる体験を配置しました。次のスポットへ移動する目的が生まれることで、ARの利用時間だけでなく、街を歩き、店舗や景色に触れる時間も体験の一部になります。
各スポットでは、現実の風景にサザエさん一家やイベントのモチーフが重なる構成を採用。画面をタップすると演出が変化するなど、見るだけでなく、自分で試して撮りたくなる操作を加えました。



対策2:QRコードから撮影・投稿までを短くする
街歩きの途中で参加してもらうには、起動までの手間を減らす必要があります。現地の案内からQRコードを読み取り、Instagramカメラを起動。画面上で位置を合わせ、撮影・投稿へ進める流れにしました。
- 各スポットの案内にあるQRコードを読み取る
- InstagramカメラでARを起動し、風景に合わせて位置を調整する
- キャラクターと一緒に撮影し、ストーリーズなどで共有する
実際のAR画面:街の景色とキャラクターが重なる体験
下の動画は、現地でARを起動した実際の画面です。商店街の展示や建物を背景にキャラクターが現れ、スポットごとに異なる見せ方を楽しめることが分かります。
対策3:現地の風景と人の流れに合わせて見え方を調整する
ARは、画面の中だけで完成するものではありません。背景となる建物や展示物との重なり方、参加者が立ち止まれる位置、通行の妨げにならないカメラの向きを考え、現地で使ったときにキャラクターが見やすい大きさと配置を整えました。
成果:地域イベントの記憶を、街を巡るデジタル体験へ
サザエさんARは、物理的な大型装飾や一カ所への集客に頼らず、商店街の複数スポットを回って楽しむ企画として実施されました。来場者は現地の景色とキャラクターを一緒に撮影でき、イベントの記憶を自分の写真や動画として持ち帰れます。
この事例で重視したのは、ARの派手さだけではありません。どこで見つけ、どう起動し、どこに立ち、何を撮り、どう共有するかまでを一つの体験として設計したことです。
商店街・地域イベントのARを、回遊導線から設計します
街の複数地点を巡るAR企画、キャラクターや地域資源を使った撮影体験、現地案内物まで、目的と会場条件に合わせて一貫して設計できます。