結論を3行で
- InstagramのARフィルター制作基盤「Meta Spark」が2025年1月14日に終了し、Instagram専業だった制作会社は主力ツールを失いました。「ARフィルター=Instagram」という前提はもう成り立ちません。
- いま「対応できるARフィルター制作会社」とは、TikTokエフェクト・WebAR・Snapchatレンズを横断して提案できる会社のこと。目的(バズ/来場体験/海外)から最適なプラットフォームを選べるかが差になります。
- 会社選びは①対応範囲の広さ ②実績の数値開示 ③一気通貫の体制 ④審査・技術の知見 ⑤データ・改善の5軸で見ます。制作費はTikTokエフェクトなら15万円〜が目安です。
「ARフィルター制作会社」の現在地:Meta Spark撤退で何が変わったか
ARフィルター制作会社とは、顔認証や画像認識などのAR技術を使い、SNSやWebで使われるエフェクト・体験の企画から実装までを専門に手がける会社のことです。数年前まで「ARフィルターを作る会社」といえば、ほぼInstagram(と一部Facebook)向けのエフェクトを制作する会社を指していました。その制作基盤だったMetaの「Meta Spark(旧Spark AR)」が2025年1月14日にサービスを終了し、クリエイターや企業が制作したARエフェクトはInstagram・Facebook・Messengerから削除されました。Metaはスマートグラスなど次世代デバイスへ注力する方針で、後継ツールの提供予定はないと公式に表明しています。
この結果、「Instagramのフィルター制作」だけを看板にしていた会社は主力商品を失いました。一方で需要そのもの——「SNSで使われるARフィルターを作って施策を回したい」というニーズ——は消えていません。行き先が、InstagramからTikTokエフェクト・WebAR・Snapchatレンズへと移っただけです。つまり「対応できる会社」の定義が、この2年で静かに書き換わりました。
対応できる会社が押さえる3つのプラットフォーム【比較表】
ARフィルターの受け皿は、いまや1つではありません。対応できる制作会社は、次の3つを目的で使い分けて提案してきます。大事なのは目的から逆算してプラットフォームを選ぶことです。
| TikTokエフェクト | WebAR | Snapchatレンズ | |
|---|---|---|---|
| 制作ツール | Effect House(継続・拡張中) | 各社WebAR基盤(ブラウザ) | Lens Studio(継続) |
| 起動方法 | アプリ内のエフェクト | QRコード→ブラウザ(アプリ不要) | アプリ内のレンズ |
| 拡散・リーチ | ◎ レコメンドが拡散を後押し | △ 自発的なSNSシェア頼み | ○ 欧米の若年層に強い |
| 国内ユーザー | ◎ 10〜30代中心に厚い | ◎ 全年齢(アプリ不要) | △ 国内は限定的 |
| 場所・モノとの連動 | × どこでも使える | ◎ 会場・店舗・商品と紐づく | × どこでも使える |
| 行動データの取得 | △ プラットフォーム依存 | ◎ 体験数などを自社取得 | △ プラットフォーム依存 |
| 向いている目的 | SNSバズ・UGC・楽曲プロモ | 来場体験・販促・データ活用 | 海外向けグローバル施策 |
国内SNSでのバズやUGC創出が目的なら本命はTikTokエフェクト、イベント会場や店舗・商品と紐づけた体験ならWebAR、欧米が主戦場ならSnapchatレンズという整理になります。Instagramからの具体的な乗り換え先の選び方はインスタARフィルター終了後の代替手段で診断チャート付きで解説しています。TikTokエフェクトとWebARの使い分けはTikTokエフェクトとWebARの違いもあわせてご覧ください。
失敗しない会社選び:見るべき5つの軸
プラットフォームが3つに分かれた今、制作会社の実力差は「どれか1つを作れる」ではなく「目的に合わせて横断できるか」に出ます。発注前に、次の5つの軸で候補会社を見比べてください。
制作会社は大きく3タイプに分かれます。SNSプロモーションや動画制作を主軸にする広告代理店・SNS運用会社(企画力は強い一方、AR実装は外部スタジオへの再委託になりがち)、AR/3D制作に特化したAR専業スタジオ(実装力と審査対応力が強みで、企画から実装までの一気通貫体制を組みやすい)、大規模開発に強いメタバース・XR総合会社(体制は厚いが小規模案件は割高になりやすい)の3タイプです。予算規模と「企画から実装まで一気通貫で任せたいか」で、合うタイプが変わります。
特に見落とされがちなのが②実績の数値開示と④審査・技術の知見です。事例を「雰囲気の実績集」で見せる会社は多いですが、再生数・UGC投稿数・完走率といった数字まで開示できる会社は限られます。また各プラットフォームには審査や端末スペックの制約があり、ここでつまずくと公開日がずれ込みます。
ARフィルター制作の費用相場【プラットフォーム別】
「ARフィルターの制作費は数百万円」というイメージがありますが、それはTikTokの広告メニュー「ブランドエフェクト」と混同したもの。制作会社に依頼する通常のエフェクトは、15万円から始められます。プラットフォーム別の相場は次のとおりです(税別)。
| 種類(プラットフォーム) | 費用相場(税別) | 掲載・運用 | 向いている目的 |
|---|---|---|---|
| TikTokエフェクト(通常) | 15万〜100万円 | 無期限 | SNSバズ・UGC・楽曲プロモ |
| TikTokブランドエフェクト(広告枠) | 130万〜300万円程度 | 6〜12日程度の時限 | 短期集中の大型露出 |
| WebARフォトフレーム/体験 | 20万〜80万円 | 自社管理(自由) | 会場・店舗・商品との連動、データ取得 |
| Snapchatレンズ | 要相談 | 無期限 | 欧米向けグローバル施策 |
| Instagram ARフィルター | 制作不可 | —(Meta Spark終了) | TikTok・WebARへ移行 |
TikTokエフェクトは、顔フィルターや歌詞連動系なら15万円〜、3D完全オリジナルで60万〜100万円が目安です。費用の内訳や「ブランドエフェクトとの違い」はTikTokエフェクト制作の費用で早見表付きに整理しています。TikTokに絞った制作会社の比較・選び方はTikTokエフェクト制作会社おすすめと失敗しない選び方もご参照ください。AR制作全体の費用感を横断して知りたい場合はAR制作の費用相場【2026年版】もあわせてご確認ください。
依頼から公開までの流れと期間
対応できる会社なら、丸投げに近い状態からでも次の流れで進みます。プラットフォームが変わっても骨格は共通です。
- ①ヒアリング・企画(目安1週間):目的・ターゲット・時期を整理し、TikTok/WebAR/Snapchatのどれで作るかを決定
- ②素材制作(2D/3D):装飾・キャラクター・歌詞モーションなどを制作。費用と期間の最大の変動要因
- ③実装・動作最適化:トリガー設定やゲームロジックを組み、低スペック端末でも動くよう軽量化
- ④審査対応(TikTok・Snapchatは目安1週間):各プラットフォームのガイドラインに合わせて調整
- ⑤公開・レポート:公開設定と、使用数・再生数などの効果測定
シンプルな顔フィルターや歌詞連動系なら最短2週間、標準で2〜4週間です。3Dオリジナル素材やゲーム性のある複雑なエフェクトは1〜2ヶ月を見込みます。依頼の準備物や期間の目安をさらに詳しく知りたい方はAR制作の依頼の流れ|期間・納期・準備物のすべてで解説しています。
実績で見る「対応できる会社」の条件
ここまでの5軸を、当社(TOBIDASE)の実例で具体化します。判断材料は「どのプラットフォームで、どんな数字を出したか」です。まずTikTokエフェクトの事例から。

この案件は、MV制作用に作った3Dモデルをエフェクトに転用することで、2週間の短納期と品質を両立しました。「企画・映像・エフェクトを分断せず1社で回す」一気通貫の体制(軸③)が効いた例です。次は歌詞連動エフェクトの事例です。

一方で「場所と紐づく体験」ならWebARの出番です。静岡県下田市の下田港内めぐりでは、遊覧船の眼前の海上に全長78メートルの黒船をARで原寸再現し、タップでペリー提督が登場する演出を制作しました(下田・黒船AR 事例詳細)。同じ「ARフィルター制作会社」でも、TikTokエフェクトからWebARまで横断できるか(軸①)で、提案できる施策の幅がここまで変わります。当社はこれまでに350個以上のエフェクトを制作し、Instagram時代を含む累計4億回の再生実績があります。
よくある質問
Q. Meta Spark終了後、ARフィルターはどこで作れますか?
A. Instagram向けの新規制作はできません。現在の選択肢は、TikTokエフェクト(国内SNSでのバズ・UGC)、WebAR(会場・店舗・商品と紐づく体験、アプリ不要)、Snapchatレンズ(欧米向け)の3つです。目的によって最適な場所が変わるため、まず「何のためのフィルターか」から整理するのがおすすめです。
Q. 「ARフィルター制作会社」を選ぶとき、最初に確認すべきことは?
A. 「対応プラットフォームの広さ」と「実績を数字で開示できるか」です。TikTok・WebAR・Snapchatを横断して提案でき、再生数やUGC数などの成果を具体的に示せる会社なら、目的に合った施策を任せられます。逆に、今もInstagramフィルターを主力に掲げている会社は情報が古い可能性があります。
Q. 広告代理店・AR専業スタジオ・メタバース総合会社、どこに頼むのが良いですか?
A. 予算規模と体制で選び方が変わります。企画から実装まで一気通貫で任せたいなら実装力に強いAR専業スタジオ、SNS運用と合わせて依頼したいなら広告代理店、大規模なXR開発まで見据えるならメタバース総合会社が候補になります。中小規模のARフィルター制作なら、実績を数字で開示できるAR専業スタジオが費用対効果に優れるケースが多いです。
Q. Instagram時代に作った素材(3Dモデル等)は流用できますか?
A. 3Dモデル・イラスト・テクスチャなどの素材データは、TikTokエフェクトやWebARで流用できる場合が多いです。ただしMeta Sparkのプロジェクトファイル(挙動やロジック)はそのまま移植できず、移行先ツールで作り直しになります。「素材は生きる・仕組みは作り直し」が原則で、素材が揃っていれば費用を抑えられます。
Q. 制作費と期間の目安を教えてください。
A. TikTokエフェクトは15万円〜(顔・歌詞連動系)、3D完全オリジナルで60万〜100万円が目安です。WebARフォトフレーム/体験は20万〜80万円。期間は最短2週間、標準2〜4週間で、審査(目安1週間)を含めた逆算が必要です。
Q. Snapchatレンズにも対応してもらえますか?国内で作る意味はありますか?
A. 制作は可能ですが、Snapchatは国内ユーザーが限定的なため、国内向け施策の主軸には向きません。欧米の若年層が主要ターゲットのグローバル施策であれば有力な選択肢です。国内中心ならTikTokエフェクトやWebARを軸にご提案します。
まとめ:横断できる会社を選ぶ
Meta Sparkの終了で、「ARフィルター制作会社」の意味は「Instagramのフィルター屋」から「TikTok・WebAR・Snapchatを目的で使い分けられる会社」へと変わりました。選ぶ側が見るべきは、対応範囲の広さ・実績の数値・一気通貫の体制・審査と技術の知見・データと改善の5軸です。
- 国内でバズ・UGC・楽曲プロモ → TikTokエフェクト(15万円〜)
- 会場・店舗・商品と紐づく体験・データ取得 → WebAR(20万円〜)
- 欧米向けグローバル施策 → Snapchatレンズも検討
TOBIDASEは、350個以上・累計4億回再生の実績をもとに、TikTokエフェクトからWebARまで横断して、企画・実装・審査対応・公開後のレポートまでワンストップで対応しています。「昔インスタで作っていたフィルターがあるが、これからどうすべきか」という段階からで大丈夫です。お問い合わせフォームから、目的とおおよその時期をお聞かせください。移行や新規制作の概算見積もりは無料です。