TOBIDASE AR Lab
ARで拡張するマーケティング
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ARスタンプラリー
観光
2026/7/11
観光地や商店街の周遊施策としてデジタルスタンプラリーを企画するとき、自己財源だけで賄う必要はありません。国・自治体には、観光DXやデジタル実装を後押しする制度が複数あります。まず全体像です。
| 制度 | 実施主体 | 主な対象者 | 補助率・規模感 | 公募時期の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 観光DX推進事業 | 観光庁 | 自治体・DMO・観光協会・宿泊事業者等 | 補助率1/2・上限1,500万円(区分による) | 春(2026年度は4/24〜5/29) |
| 新しい地方経済・生活環境創生交付金(デジタル実装タイプ) | 内閣府 | 地方公共団体 | タイプ・事業により異なる | 年度による(令和8年度も継続見込み) |
| 都道府県・市区町村の観光振興・商店街活性化補助金 | 各自治体 | 地域の事業者・商店街組合等 | 数十万〜数百万円規模が中心 | 自治体ごと(通年・随時もあり) |
「自分たちはどれを狙えるか」は立場で決まります。自治体・DMO・観光協会なら上の2つ、民間の店舗・商店街なら3つ目が入り口になります。以下、順に見ていきます。
正式名称は「全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業」。DX推進による観光地の消費拡大や、観光産業の収益・生産性向上を目的とした観光庁の補助事業です。2026年度(令和8年度)の制度概要は次のとおりです。
| 項目 | 内容(2026年度) |
|---|---|
| 事業区分 | (1) 観光地の販路拡大・マーケティング強化 (2) 観光産業の収益・生産性向上 (3) 専門人材による伴走支援 |
| 対象者 | 区分(1)(2):地方公共団体、DMO、観光協会、宿泊事業者 区分(3):上記に加え民間事業者等 |
| 補助率・上限 | 補助率1/2・上限1,500万円(区分・内容による)。伴走支援は最大800万円の別枠 |
| 公募期間 | 2026年度一次公募:4月24日〜5月29日(終了)。二次公募は申請状況を踏まえ検討と公表 |
スタンプラリー型の周遊施策は、性質上「(1) 観光地の販路拡大・マーケティング強化」に親和性があります。デジタルチケットや直販強化などデジタル接点の整備が例示されている区分で、周遊データの取得・分析を組み込んだスタンプラリー企画は、観光DXの文脈に乗せやすい施策です。
ただし、スタンプラリーが単体で対象経費と明示されているわけではありません。「イベントの景品代」「単なる販促費」と見なされる構成では対象外になり得ます。裏を返せば、行動データの取得と活用を計画の中心に置き、「デジタルによる周遊マーケティング基盤」として設計することが、要領適合と採択可能性の両方を高めます。個別の可否は必ず当該年度の公募要領と事務局への確認で判断してください。
2026年度の一次公募は5月29日で締め切られました。二次公募は「申請状況をみて検討」とされており、確実な前提にはできません。現実的な動き方は、来年度公募(例年どおりなら春)を本命に、今年の秋冬のうちに構想・体制・概算見積もりを固めておくことです。公募開始から締切までは約1ヶ月しかなく、ゼロから計画を書き始めて間に合わせるのは困難です。
デジタル田園都市国家構想交付金が再編された「新しい地方経済・生活環境創生交付金」(内閣府)も、自治体の周遊デジタル施策の財源として検討できます。とくにデジタル実装タイプは、他地域で確立済みの優良モデルを横展開する取り組みに対し、立ち上げやハード・ソフト整備の経費を支援するもので、デジタルスタンプラリーのような「実績のある仕組みを自地域に導入する」施策と構造が合っています。
注意点は2つ。申請主体は地方公共団体のみで、民間企業や個人への直接交付はないこと。そして旧デジ田時代から制度が再編されており、タイプ区分や要件が年度で動くことです。令和8年度も予算計上されており継続が見込まれますが、詳細は内閣府の最新資料で確認してください。観光部局だけでなく、企画・デジタル推進部局が窓口になっている自治体が多いのもこの交付金の特徴です。
国の大型制度だけが選択肢ではありません。都道府県や市区町村には、観光誘客イベント・商店街活性化・地域DXを対象にした数十万〜数百万円規模の補助金が多数あり、小規模なARスタンプラリー(3〜5スポット・20万〜50万円)なら、この規模感の制度で十分に賄えます。
「(自治体名) 観光 補助金」「(自治体名) 商店街 イベント 補助」で検索し、商工観光課・産業振興課に直接問い合わせるのが早道です。国の制度と違い通年・随時受付のものもあります。
どの制度でも、大きな流れは共通しています。重要なのは「いつ制作会社に発注できるか」です。
最大の落とし穴は、交付決定前に発注・契約した経費は補助対象外が原則というルールです。「先に作り始めて、採択されたら補助金を充てよう」はできません。一方で、構想段階で制作会社から概算見積もりを取ることは問題なく、むしろ申請書の経費積算に必須です。当社にも「申請前の概算見積もりと仕様の整理を手伝ってほしい」というご相談をいただけます(見積もりは無料です)。
スケジュール面では、交付決定(初夏〜夏)→制作2〜3ヶ月→秋の行楽シーズンで実施→年度内に実績報告、が典型的な1年です。ARスタンプラリーの制作期間の内訳はARスタンプラリーの費用相場で解説しています。
補助金は「良い企画」ではなく「制度の目的に合致した計画」が採択されます。観光DX系の制度でスタンプラリーを通すなら、次の4要素を押さえてください。
とくに効くのが③のデータ活用です。紙のスタンプラリーと違い、デジタルならどのスポットが人気か・どんな動線で回られたか・何割が完走したかが自動で取得できます。このデータを翌年度の改善につなげる設計を書けることが、「単なるイベント」と「観光DX」の分かれ目です。観光地でのARスタンプラリーの効果とデータ活用の実際は観光地でARスタンプラリーを導入するメリットで詳しく紹介しています。
ARスタンプラリーの制作費は、3〜5スポットの小規模構成で20万〜50万円、オリジナル演出を作り込む中規模で50万〜150万円、広域・フルオーダーメイドで150万〜300万円超が実勢です(詳細は規模別の費用相場)。補助率1/2の制度が使えれば、実質負担はこの半分になります。当社が自治体・観光協会からご相談を受ける際の肌感でも、最初のステップは100万円前後、手応えを得てからの大規模展開で500万円〜という予算感が多数派です。
参考として、自治体が公共事業として発注する周遊コンテンツでは、青森県八戸市の中心市街地スタンプラリー「ハチノヘウォーカブル」が事業費900万円と地元紙で報道された例があります。観光設計・広報まで含む事業はこの規模になり得ますが、AR体験そのものは数十万円台から設計できるため、初年度は小さく作ってデータで実証し、翌年度に拡大する段階設計が予算的にも採択面でも合理的です。
体験の作り込み例としては、当社が制作した静岡県下田市の遊覧船AR(全長78mの黒船が船上に出現する観光コンテンツ、事例詳細)のように、「その場所でしか体験できないAR」を周遊の目玉に据える設計が、話題化とメディア露出の面で効果的です。
A. 2026年度の区分(1)(2)の対象は地方公共団体・DMO・観光協会・宿泊事業者等です。一般の民間企業が直接申請するのは難しいため、地域のDMO・観光協会と連携して事業主体になってもらうか、都道府県・市区町村の補助金を検討するのが現実的です。
A. 確実ではありません。対象経費・要件は年度の公募要領によります。周遊データの取得・活用を中心に据えた「デジタルマーケティング基盤」として設計すると制度趣旨に合致しやすくなりますが、最終的には事務局への事前確認をおすすめします。
A. 原則NGです。交付決定前に発注・契約した経費は補助対象外になるのが通例です。ただし申請前の概算見積もり取得や仕様の相談は問題なく、経費積算のために必要です。
A. ①解決したい地域課題の言語化、②概算見積もりの取得(積算根拠)、③昨年度の公募要領の読み込み、の3つです。公募開始から締切まで約1ヶ月しかないため、この3つを公募前に済ませておくかどうかで勝負が決まります。
A. 申請主体は自治体・団体ご自身になりますが、当社は制作パートナーとして、申請に必要な仕様書・概算見積もり・KPI設計(取得できるデータ項目の整理)の作成に協力できます。構想段階からお気軽にご相談ください。
デジタルスタンプラリーに使える制度は、観光DX推進事業(補助率1/2・上限1,500万円)、自治体向けの新しい地方経済・生活環境創生交付金、そして都道府県・市区町村の観光振興補助金の3層があります。共通する成功パターンはひとつです。
TOBIDASEは、観光地・商店街でのARスタンプラリー制作の実績をもとに、補助金申請に使える仕様書・概算見積もり・KPI設計の段階からお手伝いしています。「来年度の申請に向けて構想を固めたい」という段階のご相談も歓迎です。お問い合わせフォームからお聞かせください。概算見積もりは無料です。
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