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WebAR開発の費用相場【機能別料金マトリクス】見積の実内訳も公開

2026/7/13

結論を3行で

  • WebAR制作を会社に依頼する場合の費用は20万円〜が実勢で、最も多い発注帯は20〜50万円。体験を独自設計するオリジナル開発は100万〜500万円が目安です(税別)。
  • 見積の中身は実装・開発が4〜5割で最大。ブラウザ・端末ごとの動作検証と軽量化がWebARの工数の中心だからです。ただし3Dキャラクターを新規で動かす案件では素材制作費が跳ね、内訳が逆転します。
  • 費用は「認識方式(ベース)×演出・機能(上乗せ)」の掛け合わせでほぼ決まります。本記事の機能別料金マトリクスで、やりたい体験がいくらになるかを確認してください。

WebAR制作の費用相場【早見表】

WebARは、アプリをインストールせずブラウザだけでARを体験できる仕組みです(基礎から知りたい方はWebARとは?作り方・メリット・活用事例の完全ガイドをどうぞ)。アプリ開発が不要なぶんAR施策のなかでは低コストですが、それでも調べると「月1万円」から「500万円」まで情報の幅が大きく、混乱しがちです。

価格差の正体は2つ。「どんな機能のARか」と「誰が作るか」です。まず制作会社に依頼する場合の用途別相場から押さえてください。

WebARの用途費用相場(税別)制作期間の目安
ARフォトフレーム・フォトスポット20万〜80万円2週間〜1ヶ月
ARスタンプラリー20万〜300万円(規模で変動)3週間〜2ヶ月
商品・展示連動AR(画像認識)25万〜90万円3週間〜1.5ヶ月
オリジナルWebAR開発(体験を独自設計)100万〜500万円1〜3ヶ月
(参考)SaaSツールで自作初期8万円+月額1万円〜数日〜

このほか公開後の運用費(サーバー・コンテンツ更新・計測レポート)として月額1万〜10万円程度を見込みます。短期イベントなら会期中のみの運用契約にできる場合が多く、当社でも期間限定のご相談を多くお受けしています。

なお、TikTokエフェクトやARアプリまで含めたAR施策全体の相場観は、ハブ記事のAR制作の費用相場【料金早見表】で整理しています。「そもそもWebARで良いのか、アプリが必要なのか」で迷っている段階ならWebAR vs アプリARが判断材料になります。

機能別料金マトリクス|認識方式×演出で費用が決まる

同じ「WebAR」でも、見積はベース費用を決める「認識方式」と、上乗せ幅を決める「演出・機能」の掛け合わせでほぼ決まります。当社の見積実務でも、この2軸が決まった時点で概算はほぼ固まります。

WebARの機能別料金マトリクス:縦軸は認識方式(QR起動・画像/顔認識・平面認識・GPS位置情報)、横軸は演出(2D画像、3Dモデル静止、3Dアニメーション、ゲーム性・サーバー連動)。QR起動×2Dの20〜30万円からGPS×ゲーム性の150〜300万円超まで16セルの費用帯を色の濃淡で示した図
認識方式\演出・機能2D画像・フレーム3Dモデル表示(静止)3Dアニメーションゲーム性・サーバー連動
QR起動・画面固定(最も手軽)20万〜30万円25万〜40万円40万〜70万円70万〜150万円
画像認識・顔認識(ポスター・商品・顔で発動)25万〜40万円30万〜50万円50万〜90万円80万〜200万円
平面認識(床・机に定着)30万〜50万円35万〜60万円60万〜110万円100万〜250万円
GPS・位置情報連動(その場所で発動)50万〜80万円60万〜100万円80万〜150万円150万〜300万円超

金額は1体験(1スポット)あたりの目安です。読み方のポイントは次の2つです。

縦軸:認識方式が「ベース費用」を決める

QRコードを読むだけで画面に演出が出るタイプが最も安く、カメラで現実を解析する度合いが上がるほど(画像認識→平面認識→GPS連動)、実装と検証の工数が増えてベース費用が上がります。とくにGPS連動は屋外の実地検証が必須になるため、1段高い価格帯になります。

横軸:演出・機能が「上乗せ費用」を決める

同じ認識方式でも、出てくるものが2D画像なのか、3Dなのか、動く3Dなのかで大きく変わります。当社の見積実務で最も金額が跳ねるのは「3Dキャラクターのアニメーション」です(理由は後述)。さらにスタンプの保存・抽選・ランキングなどサーバー側の仕組みが絡むと、開発規模が一段上がります。

ARスタンプラリーの場合はこのマトリクスにスポット数が掛かります。既存パッケージを活用した3〜5スポットの小規模構成なら20万円台から、独自演出のオーダーメイド型は100万〜300万円以上——という幅の出方は、AR制作の費用相場で解説したとおりです。

見積の実内訳|最大の費目は「実装・開発」

当社が実際にお受けしているWebAR案件(最多帯の20〜50万円クラス、素材支給あり)の見積内訳は、おおむね次の比率になります。

WebAR見積の内訳比率:実装・開発45%、デザイン・素材制作25%、企画・体験設計15%、テスト・公開対応15%の帯グラフ。3Dキャラクターを新規制作する場合はデザイン・素材制作が4割超に逆転する比較帯グラフつき
費目比率の目安内容
実装・開発約45%(最大)AR機能の組み込み、ブラウザ・端末別の動作検証、表示の軽量化
デザイン・素材制作約25%2Dデザイン、支給素材のAR用最適化、3D変換
企画・体験設計約15%目的整理、体験フロー設計、絵コンテ
テスト・公開対応約15%実機テスト、公開設定、QRコード発行

実装・開発が最大になるのはWebARの構造的な理由です。アプリと違いWebARはiPhoneのSafari、AndroidのChromeなど、ユーザーごとに異なるブラウザ・端末性能の上で動かす必要があり、機種ごとの動作検証と、低スペック端末でも止まらないための軽量化チューニングが工数の中心を占めます。ここを省くと「一部のユーザーだけ動かない」事故につながるため、削れない費目でもあります。

ただしこの比率は「素材を支給いただけた場合」です。3Dキャラクターをゼロから制作して動かす案件では、モデリング+リギング(動きの仕込み)+AR用軽量化で素材制作費が4割を超え、内訳が逆転します。「見積が想定より高い」と感じたときは、まず素材制作費の行を確認してください。手持ちの素材(キャラクター設定画・商品写真・ロゴ・過去のイラストデータ)を支給するだけで、この部分は目に見えて下がります。

費用が跳ねる4つのオプション

マトリクスの右側・下側に進むほど費用が上がる、その具体的な中身です。見積前に「本当に必要か」を判断する材料にしてください。

① 3Dキャラクターのアニメーション(跳ね幅:+20万〜60万円)

当社の見積実務で最も金額が跳ねるオプションです。「キャラクターが目の前で踊る」体験は、3Dモデリングに加えてリギング・アニメーション制作・ブラウザで滑らかに動かすための軽量化が必要で、静止表示との差は想像以上に大きくなります。既存の3Dデータ(ゲームやVTuber用モデルなど)を支給いただければ、変換・最適化のみで済み跳ね幅を大きく抑えられます。

② GPS・位置情報連動(ベースが50万円〜に)

「その場所に行くと出現する」ロケーションベースARは、位置判定の実装に加えて現地での実地検証が必須です。GPS精度は建物や天候にも影響されるため、発動範囲の調整を現場で詰める工数がかかります。観光・周遊イベントでの導入を検討しているなら、スポット数の設計次第で総額が大きく変わります。

③ スタンプ保存・抽選・ランキング(+30万〜100万円)

体験の結果を保存する機能(スタンプの達成状況、抽選、スコアランキング)は、AR本体とは別にサーバー側の開発が発生します。世田谷区・桜新町商店街の「サザエさんAR」のような周遊企画(事例詳細)では、この仕組みが参加体験の核になるため、演出よりもここに予算を配分する設計もあります。

④ 空間認識・実寸スケール表示

床や空間を認識して「実寸大」を出す表現です。静岡県下田市の遊覧船では、幕末の黒船(全長78m)を海上に実寸で出現させる観光ARを制作しました(下田港内めぐりAR 事例詳細)。迫力は随一ですが、スケール感の調整と現地検証が必要になるため、平面認識より一段上の予算帯で考えてください。

SaaSで自作・制作会社・スクラッチ開発の選び方

「誰が作るか」の3ルートで、費用構造がまったく変わります。

 SaaSツールで自作制作会社に依頼スクラッチ開発
費用初期8万円+月額1万円〜(例:STYLY WebAR〈旧palanAR〉)20万円〜(単発)+運用月1万〜10万円100万〜500万円
できることテンプレートの範囲(表示・簡単な設定)企画〜演出〜検証まで要望ベース完全オーダーメイド
社内の工数素材準備・設定・検証をすべて自社で素材支給と確認のみ要件定義に深く参画
向いているケース常設の簡易表示(名刺AR・POP等)を数多く期間限定のイベント・キャンペーンブランド体験・大型企画・独自システム連動

SaaSツールは月額だけ見れば圧倒的に安く見えますが、企画・素材制作・検証の人件費は自社持ちです。テンプレートを超える演出(キャラクターを動かす、ゲーム性を持たせる)はできないか追加開発になるため、「SNSでシェアされる体験品質」を狙う単発イベントでは制作会社への依頼、社内ツール的な簡易ARを継続的に量産するならSaaS——が現実的な分岐点です。

もうひとつ、2026年に無視できなくなったのがプラットフォームの寿命リスクです。世界的に使われてきたWebARエンジン「8th Wall」は2026年2月で新規開発の受付を終え、2027年2月末にはホスティング中の既存コンテンツもすべて停止することが発表されました。国内ツールでもpalanARが「STYLY WebAR」へ統合されるなど、業界の再編が続いています。制作会社を選ぶ際は、料金だけでなく「どの技術基盤で作るのか」「運用期間中の技術サポートを誰が担保するのか」まで確認することをおすすめします。制作会社の比較観点はWebAR制作会社おすすめ7選にまとめています。

WebARの費用を抑える3つの方法

① 素材を支給する(最も効果が大きい)

内訳の章で見たとおり、素材の新規制作こそが見積を逆転させる要因です。キャラクター設定画・商品画像・ロゴ・過去の販促イラスト・既存の3Dデータなど、「あるもの」をすべて共有してから見積もりを取ってください。

② マトリクスの左上から始める

初回から右下(GPS×ゲーム性)を狙わず、目的に効く最小の1機能に絞ってください。認知・SNS投稿が目的ならQR起動のフォトフレームで十分に成果が出ます。実測データ(参加数・投稿数)を取ってから、次回に機能を足していく方が費用対効果は確実に高くなります。

③ 運用を会期に合わせる

常時公開が不要なら、運用契約を会期中のみに絞ることで月額費を圧縮できます。発注から公開までの段取りと「いつまでに相談すべきか」はAR制作の依頼の流れ|期間・納期・準備するもので詳しく解説しています。

よくある質問

Q. WebAR制作は最低いくらから依頼できますか?

A. 当社の場合、既存素材を活用できるARフォトフレームや小規模スタンプラリーで20万円〜(税別)からお受けしています。実際の発注で最も多いのは20〜50万円帯です。

Q. SaaSツールで自作すれば、依頼するより安くなりますか?

A. 月額費用(初期8万円+月1万円〜が実勢)だけならSaaSが安価ですが、企画・素材制作・端末検証の人件費は自社負担で、テンプレートを超える演出はできません。単発イベントで体験品質を求めるなら依頼、簡易表示を継続的に量産するならSaaSが目安です。

Q. 発注から公開までの期間はどのくらいですか?

A. ARフォトフレームで2週間〜1ヶ月、ARスタンプラリーで3週間〜2ヶ月、オリジナル開発で1〜3ヶ月が目安です。イベント日程が決まっている場合は1〜2ヶ月前までのご相談をおすすめします。

Q. 公開後の費用はかかりますか?

A. サーバー・運用費として月額1万〜10万円程度が一般的です。短期イベントであれば会期中のみの契約にでき、総額を抑えられます。

Q. 8th Wallで作った既存のWebARはどうなりますか?

A. 8th Wallのホスティングは2027年2月末で停止が発表されており、既存コンテンツはそのままでは動かなくなります。継続利用したい場合は他エンジンへの移行が必要です。移行のご相談も当社でお受けしています。

まとめ:機能の選び方が費用を決める

WebAR制作の費用は「認識方式×演出・機能」のマトリクスでほぼ決まり、実勢の中心は20〜50万円帯です。見積の最大費目は実装・開発(約4〜5割)ですが、3Dキャラクターの新規アニメーションだけは素材費が逆転するほど跳ねる——この構造を知っていれば、相見積もりの妥当性も自分で判断できるはずです。

  • SNS投稿・記念体験が目的 → QR起動のフォトフレーム(20万円〜)
  • 周遊・回遊の促進が目的 → ARスタンプラリー(20万円〜、機能で変動)
  • ブランド体験・大型企画 → オリジナルWebAR開発(100万円〜)

TOBIDASEは、累計3.5億回以上再生されたARエフェクトの制作実績をもとに、WebARの企画から実装・現地検証・効果測定までワンストップでお手伝いしています。「この機能を足すといくら上がるのか」「手持ちの素材でどこまでできるか」といった見積段階のご相談も歓迎です。お問い合わせフォームから、目的とおおよその時期をお聞かせください。概算見積もりは無料です。

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